コンベアの種類(水平、傾斜、垂直など) 特徴や用途を徹底解説

コンベアの種類(水平、傾斜、垂直など) 特徴や用途を徹底解説

コンベアには、水平コンベアや傾斜コンベア、垂直コンベアなど、搬送方向や搬送物に応じたさまざまな種類があります。種類ごとに構造や特徴、適した用途が異なるため、搬送物の大きさや重量、搬送方向、設置スペースなどを踏まえて選ぶことが重要です。

本稿では、工場や倉庫で使用される代表的な8種類のコンベアについて、それぞれの特徴や仕組み、用途を解説します。

目次[非表示]

  1. ・1. 水平コンベア
  2. ・2. 傾斜コンベア
  3. ・3. 垂直コンベア(エレベーターコンベア)
  4. ・4. 蛇腹コンベア(フレキシブルコンベア)
  5. ・5. バケットコンベア
  6. ・6. ローラーコンベア
  7. ・7. マグネットコンベア
  8. ・8. 空中コンベア(オーバーヘッドコンベア)
  9. ・コンベアリフターの活用によりラインの省スペース化を実現
    1. ・傾斜コンベアの場合
    2. ・コンベアリフターの場合
  10. ・関連ページ

1. 水平コンベア

水平コンベアはいわゆるベルトコンベアのことで、ベルトとローラーによって構成されています。モーターでローラーを回すと、複数のローラーに支持された環状のベルトが回転し、ベルト上に置かれた物を搬送できるという仕組みです。
水平方向の搬送に特化したものを水平コンベアと呼びます。

水平コンベアは一般的なコンベアのため、多くの場面で用いられています。
生産ラインにおける部品や完成品の輸送、倉庫における製品の仕分け・搬送などto Bだけでなく、例えば空港での乗客の荷物搬送などto Cでも活躍しています。

水平コンベアは搬送対象となる物のサイズや重量に合わせて設計されるため、ネジなどの小さくて軽いものから、タイヤなど大きくて重いものまで幅広く搬送可能です。

2. 傾斜コンベア

工場や倉庫で搬送が必要なのは横方向だけではありません。
縦方向に搬送したい時に役立つのが傾斜コンベアです。水平コンベアを斜めに設置したのが傾斜コンベアで、縦方向(斜め方向)への搬送を可能にします。

「ベルト上にある物を搬送する」という原理は同じであるため、垂直搬送はできません。また、搬送対象物とベルトの摩擦力を利用して搬送するため、一定以上の角度を付けて設置することもできません。
ただ、一般的な平ベルトとは別に、滑り防止のためのリブ付きベルトもあり、より大きい角度で搬送できるよう設計されています。

傾斜コンベアも水平コンベアと同様に、幅広い場面で使用できるのが特徴です。

一般的な工場では、投入口や排出口に高低差のある生産設備どうしをコンベアで結んで使用されたり、食品工場では梱包済み製品の搬送や仕分けで使用されていたりします。また、大型の傾斜コンベアは、建設業では土砂や砂利の運搬、鉄鋼業界では原料となる鉄鉱石やコークスの運搬にも使用されます。

3. 垂直コンベア(エレベーターコンベア)

上下方向の搬送において垂直搬送することで、省スペース化や搬送距離の短縮を図ったのが垂直コンベア(エレベータコンベア)です。傾斜コンベアは原理的に垂直搬送ができないため、バケットと呼ばれるバケツ状のものを使用したバケット型や、ベルトではなくチェーンを使用したチェーン式があります。

工場や倉庫において、傾斜コンベアを設置するスペースがない場合に、垂直搬送のできる垂直コンベアが向いています。
ただし、バケットは向きがあるため、上向きに搬送した後そのまま下向きに搬送することはできません。

4. 蛇腹コンベア(フレキシブルコンベア)

水平コンベアは生産効率向上に役立ちますが、基本的に一度設置するとその場所・ルートで使い続けることになります。そのため、現場の状況によって設置したり撤去したり、あるいはルートを変えることはできません。

そんな悩みを解消するのが蛇腹コンベア(フレキシブルコンベア)です。

蛇腹コンベアは自由に伸縮できるため、設置ルートやカーブの曲率を変えることができます。また、脚にローラーが付いていて移動できるため、必要なときだけ設置するといった運用も可能です。

倉庫のトラックヤードにおける、トラックへの荷物の搬入/搬出において使いやすいのが蛇腹コンベアです。
時と場合によって変わるトラックの位置に追従して設置できるだけでなく、トラックの位置決め(ヤード進入)など必要のないときは撤去しておけば、トラックとの干渉の心配もありません。

また、短期的あるいは定期的にレイアウト変更が必要な場所でも、蛇腹コンベアが役立ちます。

5. バケットコンベア

バケットコンベアは傾斜コンベアや垂直コンベアの一種で、バケットを使用したコンベアです。
チェーンやベルトにバケットが取り付けられているため、バケットの中に収まるものであれば搬送可能です。

バケットが付いているため、そのままベルトに載せると搬送が難しい小さな物も搬送可能です。
そのため、食品工場や製薬工場では粉末状や顆粒状の材料・製品を輸送できます。また、大型のタイプは穀物や肥料などをサイロに投入することも可能なため、農業や酪農においても使用されます。

6. ローラーコンベア

ローラーコンベアとは、ベルトコンベアからベルトを取ったような形状をしており、ベルトを介さずローラーが直接搬送するタイプのコンベアです。原理は「ころ」と同様で、ローラーの回転により搬送物が順次ローラーの上を移動します。

ローラーにモーターが付いているタイプと、付いていないタイプがあります。
前者は距離にかかわらず出発点から到着点まで確実に搬送できますが、後者は人が搬送物を押した慣性力で搬送されるため、あまり長い距離の搬送には向きません。

モーターが付いたローラーコンベアは工場の生産ラインにおいて、組立工程での部品搬送や検査工程における製品搬送に利用されます。
ローラーは一定以上の半径とピッチを持ちます。ベルトコンベアと異なり、ピッチ以上のサイズの搬送物が対象となりますので、注意してください。

一方、モーターが付いていないタイプは倉庫などにおいて、コンベア上で荷物を手で押して荷物を出荷先別に仕分けする際に使用します。
また、傾斜(下り勾配)を付ける場合や、水平搬送でも人が横に付いて搬送する場合(搬送の自動化ではなく負荷軽減が目的の場合)にもモーターが付いていないタイプを使用可能です。

7. マグネットコンベア

マグネットコンベアとは、磁力を用いて搬送するコンベアのことをいいます。
磁力を使用するため、鉄製品など磁性体の搬送物が対象です。磁力により搬送物を半固定できるため、水平搬送だけでなく傾斜のついた搬送や垂直搬送も可能です。

形状はベルトコンベアに似ており、金属製のベルト上に搬送物を載せます。ただし、磁力があるためベルトから落下するリスクは小さく、本来ならバケットを使うような小さいものまで搬送できるのが特徴です。

ベルトに乗るサイズの磁性体であれば搬送可能ですが、特に向いているのは比較的小さな金属の搬送です。
金属加工業における小さな部品や、リサイクル業における鉄屑の搬送も可能です。ただし、銅や一部のステンレスなど非磁性体の金属もあるため、導入前には搬送物が磁性体であるか確認する必要があります。

8. 空中コンベア(オーバーヘッドコンベア)

これまで紹介したコンベアは基本的に地上に設置して使用しますが、天井空間を効率的に使用できるのが空中コンベア(オーバーヘッドコンベア)です。
地上空間を占有しないだけでなく、レイアウトや動線設計の自由度を上げることができます。

モーターでチェーンを駆動し、チェーンに等間隔に付けられたハンガーを使って搬送します。搬送物を吊り下げる場合と下から抱きかかえる場合があり、後者の場合は専用のアタッチメントを介してハンガーに吊り下げます。

空中コンベアは衣類のような軽いものから、自動車の部品やボディなど重いものまで、コンベアの設計次第で対応可能です。特に大きな部品を地上搬送するのはスペース効率が悪いため、地上で部品組付けを行うような工程でなければ、空中搬送のメリットが大きいでしょう。

コンベアリフターの活用によりラインの省スペース化を実現

一般的な傾斜コンベアは傾斜部だけで1,500〜2,000mm、パーツカウンターを含めると3,000mm近く必要です。
搬送作業は直接生産に寄与しないため、限られたスペースの工場ではこの設置面積をできるだけ抑えたいものです。

一方、コンベアリフターなら約1,000mmで済み、計数機や包装機を含めても約2,000mmと、半分ほどのスペースで導入できます。

パーツカウンター傾斜コンベア

傾斜コンベアの場合

パーツカウンター/コンベアリフター

コンベアリフターの場合

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