技術コラムピロー包装機の噛み込み原因と対策方法

軟X線検査装置
食品パッケージ検査に最適な検査装置 用途に合わせた豊富なラインナップ
噛み込み検査に最適な軟X線検査装置

包装時における噛み込みとは

噛み込みとは、食品や薬、日用品などを包装するときに内容物がシール部分に挟まってしまう状態です。また、パッケージの素材が二重にシールされている状態も噛み込みといいます。
例えば、クッキーを包装するときに小さなかけらがシール部分に挟まってしまったり、マスクを包装するときに角が挟まってしまったりします。
内容物はパッケージに入れてシールし、中身が飛び出てこないようにする必要があります。噛み込みが発生すると、シール部分に隙間ができてしまい、食品の場合は、品質が悪くなってしまうかもしれません。
内容物の品質維持のために、噛み込み防止および不良品の流出を避けなければなりません。
食品などの代表的な包装機として、横ピロー包装機と縦ピロー包装機があります。ピロー包装機とは、包装材のフィルムなどを筒状にしながら内容物を包装し、センターおよび両端をシールする機器です。
横ピロー包装機は、製品をベルトコンベアで送りながら、包装材を筒状にして内容物を包みます。その後センターシールをして、両端をシールしてカットします。
縦ピロー包装機は、包装材を上から下に流しながら筒状にしてセンターシールと底面のシールをします。その後、内容物を上から入れて、上面のシールをしてカットします。

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横ピロー包装機|噛み込みの原因と対策

横ピロー包装機を使う場合の噛み込み原因と対策について解説します。

横ピロー包装時の噛み込みの原因

内容物の移動

横ピロー包装時の噛み込みのおもな原因は、内容物の位置がずれた状態でシールしたりカットしたりすることです。 横ピロー包装は、センターシール後に内容物を包装材の上に置きます。正しく置いて、次の工程のシール時にも位置がずれていなければ、特に問題はありません。 しかし、機械の振動やベルトコンベアの駆動開始、停止などによって内容物が移動してしまう場合があります。 シール部分に内容物が移動してしまった場合には、噛み込みが発生しやすいです。特に、内容物が丸くて転がりやすい場合や、接触面積が小さくてすべりやすい場合には位置がずれやすく、噛み込みが発生しやすいです。

ベルトコンベア速度

製品の生産性を高めるためにベルトコンベアの速度を速く設定する場合があります。当然、製品1個当たりの処理速度が高まり、1日当たりの生産量は増えます。しかし、速度が速いと駆動開始、停止時の慣性力が高くなるので、内容物が動きやすいです。また、振動も大きくなるでしょう。

包装材の大きさ

ほかには、包装材の大きさも原因の一つとなる場合があります。内容物に対して包装材が十分に大きい場合は、多少位置がずれても噛み込みが発生しにくいです。しかし、包装材のコストダウンのために小さな包装材を使って、大きさの余裕が少ない場合もあります。内容物が少しずれただけでシール部にかかってしまうので、噛み込みが発生しやすいです。

噛み込みの対策

内容物が移動しないようにする

内容物が包装材の上を滑らないように、素材を変更します。摩擦係数が高めの素材を選定することで、内容物を滑りにくくします。
また、移動と停止、振動を抑えるためにベルトコンベアの速度を調整します。ただし、速度を下げると生産性が下がってしまうため注意が必要です。

噛み込み検査をする

シールされた後に、ベルトコンベア上に噛み込み検査するデバイスを設置します。噛み込みが発生していたら機械を停止したり、自動で対象の製品を排出したりできます。
検査装置は、X線検査装置や近赤外線検査装置、人による目視での検査などの方法があります。

縦ピロー包装機|噛み込みの原因と対策

次に、縦ピロー包装機を使う場合の噛み込み原因と対策について解説します。

縦ピロー包装時の噛み込みの原因

内容物を包装材に入れた後に、上面のシール部まで内容物が上がってきてしまう場合があります。縦ピロー包装機は、最後に上面のシールをするので、内容物を一緒に挟んでしまいます。

噛み込みの対策

内容物がシール部にかからないようにする

縦ピロー包装機は、上面をシールするときに包装材を挟み込みます。包装材を挟んだまま、包装機の挟む部材を上に移動させると、次の包装材の底面が広がります。
底面が広がるので、内容物が下に落ちやすくなります。上面のシール部分に内容物がかからないようになり、噛み込みを防止できます。

上面シールするときにしごく

上面をシールするときに、包装機の挟む部材を少し上で挟み込みます。このとき完全に圧力をかけずに微小な隙間が空くようにします。
その後、下方向に部材を移動させ、シールする正しい位置で包装材に圧力をかけます。下向きに包装材をしごく動作によって、間に挟まっていた内容物を下側へ押し込むことができます。

噛み込み検査をする

横ピロー包装機と同じように、シール後の製品を検査する方法です。内容物の個数が正しいかどうかや、シール部に噛み込んでいないかを検査します。
噛み込み検査をすることで、不良品の流出防止になります。インラインで検査を行えば、大きく生産性が落ちることもないでしょう。
検査装置は、X線検査装置や近赤外線検査装置などです。

噛み込み検査に最適|山善の軟X線検査装置の紹介

噛み込み検査をする場合、X線のエネルギーが高すぎると、透過するX線が減衰する割合が少ないために感度が下がります。軟X線は薄い包装材を使っている食品や医薬品の検査に適しています。また、エネルギーが低いX線を使っているため、食品など内容物に対して影響を与えません。商品を劣化させずに検査を行える点も軟X線検査装置が適している理由です。
噛み込み検査の自動化でお悩みの方は軟X線検査装置のご導入をお勧めします。

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