技術コラムシングルピッキングの種類と
自動化テクノロジーを紹介

物流倉庫においてピッキング作業は、お客様へ適切に商品を出荷するための大切な作業です。しかし、倉庫の大きさによっては効率よくピッキングできなかったり、ピッキング方法によっては人間のミスにより誤出荷をしてしまったりするリスクがあります。

この記事ではピッキングの種類の紹介、そしてピッキングの一種であるシングルピッキングの自動化テクノロジーを紹介します。

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シングルピッキングとは

棚卸し自動化を実現するシステムを6つ紹介

ピッキングは、必ずお客様からのオーダーに基づいて行います。このとき、一件のオーダーごとに行うピッキングをシングルピッキングといいます。オーダーが入ると、伝票に沿って出荷する商品を倉庫内から探します。そして、そのオーダーの商品すべてが揃った時点で、集荷エリアや梱包エリアに商品を持っていくのです。

ただし、シングルピッキングでは一件のオーダーごとに倉庫内から商品を探すため、オーダーの数や倉庫の広さによっては効率が悪くなることがあります。そのようなとき有効なのが、トータルピッキングです。

トータルピッキングは、複数のオーダーの商品を一度にピッキングし、集荷エリアなどでオーダーごとに仕分ける方法です。作業が二段階になりますが、倉庫内から効率よく商品を集められるというメリットがあります。

SKUが少ない場合には、トータルピッキングのほうが向いているといわれています。SKUとはStock Keeping Unitのことで、在庫管理上の最小単位です。ここでいう最小単位とは、お客様にとって同じ商品である単位のことで、商品Aが5個のオーダーではSKUが1、商品Aが2個と商品Bが3個のオーダーではSKUが2という数え方をします。

作業がシンプルなのはシングルピッキングです。シンプルであるがゆえに、ピッキングミスや仕分けミスなど、誤出荷の原因になりづらいという特徴があります。

シングルピッキングの種類

棚卸し自動化システムの選定手順

シングルピッキングと一口に言ってもさまざまな種類があります。

ピースピッキング(個別ピッキング)

はじめに紹介するのはピースピッキングです。ピースピッキングとは、商品一つ単位でピッキングすることであり、toC向けECサイトなどのピッキングで用いられています。そのほかtoB向けのピッキングであっても、多品種少量出荷においてはピースピッキングとなるケースがあります。

ケースピッキング

ケースピッキングとはケース(箱)単位でのピッキングのことです。小売業者や卸売業者、あるいは工場などへの出荷におけるピッキングに用いられます。ピースピッキングより効率よくピッキングできるほか、荷姿が箱となるためピースピッキングに比べて自動化しやすいという特徴があります。

パレットピッキング

オーダーの数量によっては、ケースをパレットに載せて出荷する場合があります。パレット単位でピッキングすることをパレットピッキングといいます。

シングルピッキングを自動化するテクノロジーの紹介

棚卸し自動化を実現するシステムを6つ紹介

近年、ECサイトの市場拡大により、シングルピッキングを行う場面が増えているといわれています。しかし、シングルピッキングは作業負荷が高いという懸念点があります。また、比較的シンプルなシングルピッキングでも、人間が作業に介在する以上、ピッキングミスの確率は一定程度あります。

ここではシングルピッキングの自動化、つまり効率化やピッキングミス低減をアシストするテクノロジーを紹介します。

自動倉庫システム(ASRS)

ASRSとは、Automated Storage and Retrieval Systemのことであり、自動倉庫システムを示します。自動倉庫システムとは、出荷指示に従って、商品が保管されているラックからピッキングする商品を探せるシステムのことをいいます。

物流効率化のためには、広大な倉庫や背の高いラックが必要不可欠です。しかし、倉庫が大きくなればなるほど、人が歩いて商品を探す負荷が大きくなり、同時に効率も悪くなります。そういった場面で、自動で商品を探し、担当者が商品を受け取るポイントまで搬送する自動倉庫システムは、ピッキングの効率化や正確性の向上に大きく貢献してくれるのです。

ピッキングロボット

シングルピッキングは、似たような商品が多い場合には単調になります。人間の集中力には限界があるため、単調な作業を長く行うほど効率が悪くなり、誤出荷の原因となるピッキングミスを起こしやすくなります。

そういった作業を人間の代わりにやってくれるのがピッキングロボットです。ピッキングロボットは、ロボットハンドやロボットアームのような形状をしており、先端にはピッキングする商品形状に合わせたアタッチメントと、商品を認識するためのカメラがついています。

AIソフトを使用することにより、自動で商品を認識できることに加え、AIに投入するデータへのラベル付けが不要なこともあり、効率的に学習させられます。

ピック・トゥ・ライトシステム

人間がピッキング作業をするとき、伝票などの情報をもとに「正解」を把握したうえで行います。しかし、集中力の低下や思い込みなどにより、手元に正しい情報があるにもかかわらずピッキングミスしてしまうことがあります。

そこで有効となるのが、ピック・トゥ・ライトシステムです。このシステムは、ピッキングする商品がある場所を光で教えてくれるものであり、誰がやってもピッキングミスの起こりづらいシステムとなっています。ピッキングそのものを自動化するものではありませんが、誤出荷防止には大きく貢献するシステムでしょう。

自動誘導車(AGV)および自律移動ロボット(AMR)

AGVはAutomated Guided Vehicle、AMRはAutonomous Mobile Robotであり、それぞれ自動誘導車、自立移動ロボットと訳されます。どちらも人間に代わって自動で商品を運搬してくれるもので、本質的には同じはたらきをします。

ただし、AGVは走行時に磁気テープや二次元コードなどの誘導が必要になります。そのため、施設側(倉庫)にAGVのための対策が必要になり、一度誘導するものを設置してもAGVの走行ルートを変えるためには、再度設置の必要があるのです。

一方、AMRは自らの位置と目的地、つまりピッキングする商品の位置やピッキングした商品を届ける集荷エリアなどを把握できるため、施設側への対策が必要ありません。

AGVやAMRは基本的に平面にて移動するものです。ラックなど高所にある商品のピッキングをシステム化するためには、別途ドローンが必要になる場合もあります。

ウェアラブルテクノロジー

ウェアラブルテクノロジーとは、片手、あるいは両手に何も持つことなくピッキングをできるようにするデバイスのことです。

たとえば、お客様からオーダーの入った商品を確認するには、紙の伝票やタブレットに表示されている情報を見る必要があります。このとき、伝票やタブレットを手に持つ必要がありますが、ウェアラブル端末を使えば、腕時計の文字盤のようなディスプレイにオーダー情報が表示されます。

また、ピッキング作業においては「ピッキングした」という事実を、現実とシステムでリンクさせるため、バーコードやRFIDを読み取る必要があります。このとき、通常ならスキャナを持つ必要がありますが、ウェアラブル端末を使うことで両手をフリーにしてピッキング作業をしやすくできます。

シングルピッキング自動化のご相談は山善へ

山善では、シングルピッキングに課題を抱える企業様に向けて、自動化を提案しております。作業員の負荷低減、ピッキング作業の効率化、誤出荷のリスク低減など、解決したい課題をまずはお気軽にご相談ください。

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