多品種少量生産でも24時間無人運転が可能にロボット×治具システム×ワークストッカーマシンテンディングによる
多品種少量生産の自動化ソリューション
マシンテンディングとは、加工対象物であるワークを工作機械にセットしたり、反対に加工が終わったワークを工作機械から取り出したりすることをいいます。
このような作業は機械加工において不可欠ですが、人間が行うには生産性の低い作業です。
また、工作機械の稼働率向上のためには夜間や休日もマシンテンディングが必要です。しかし、人手不足が深刻化している昨今、貴重な人的リソースをこのような時間帯の作業に充てるのは非効率です。
そこで有効なのがロボットを活用したマシンテンディングです。
多品種少量生産においてワーク形状は多種多様です。そのため、ワーク形状に応じた治具(ワーククランプ)やロボットハンドが必要になります。
ワークごとに治具やロボットハンドを用意すると高コストになるほか、仮に用意できたとしてもそれらを交換するために人手が必要になる場合もあります。
また、ロボットへのティーチングもワークごとに必要なため、マシンテンディング実現のために膨大なコストや手間がかかってしまうのです。
これではマシンテンディングのメリットがなく、自動化が進まない要因になってしまいます。
そこで有効なツールが「スマートグリップ」です。スマートグリップはワークホルダ(写真右)とオートヘッド(同左)で構成されています。
ワークホルダはワークをクランプするためのホルダで、オートヘッドを介して工作機械に取り付けます。
両者の接続には工作機械の主軸において実績のあるISO規格「HSKインターフェイス」のうち「HSK-Aタイプ」を採用しています。
同芯方向:2μm/L、Z軸方向:1μmという高い位置精度を誇るため、加工品質には問題ありません。また、ワーク交換時はワークホルダごと交換するため、ロボットによるマシンテンディングも可能です。
HSK-Aタイプは高いクランプ力と曲げ剛性を誇るため、加工時に工作機械(切削工具)から受ける力に対して、ワーク浮き上がりの心配がありません。
もちろん、加工時に発生する力によりワークホルダとオートヘッドが分離する心配もなく、さまざまな方向からの加工が可能です。
そのため、従来のクランプ方法からスマートグリップに変えたことにより、加工方法や加工量(切削量)に制限が発生することもありません。
ワークホルダはワーク形状に応じて、いくつかのパターンを用意しています。
ワークホルダの種類は様々ですが、掴む位置が共通のため、一種類のロボットハンドでマシンテンディングに対応可能です。
3軸加工機にロータリーテーブルをセットして、スマートグリップを組み合わせることで多面加工が可能となります。
また、ロータリーテーブルと組み合わせると、5軸加工機と同等の加工を3軸加工機で行えるようになります。
スマートグリップは、このように加工軸を傾斜や回転させる場合でも、問題なく使用できます。
そのため、5軸同時加工を必要とする複雑な3次元形状の部品を加工する場合でも、マシンテンディングが可能となります。
工作機械にスマートグリップ、そしてロボットとワークストッカーを組み合わせることで、24時間稼働を実現できます。
ワークストッカー内のワークの加工が全て終わるまで、基本的に人手を必要としません。
マシンテンディングの実現のためには、ワークストッカーの搭載数と同数のワークホルダ、そして1つのオードヘッドが必要です。
しかし、稼働時間の延長(稼働率アップ)や生産性の高い作業への配置転換などのメリットを考えると、その効果は大きいでしょう。
スマートグリップにより「多品種少量生産の自動化」が可能になります。
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