技術コラムパレタイズ業務の自動化で倉庫の省人化を
実現する方法

本記事では、パレタイズ業務の自動化によるメリットと実現方法を解説します。また、パレタイズ業務自動化ロボットの種類と特徴を解説します。パレタイズ業務の自動化に興味のある方はぜひご覧ください。

ロボットパレタイザー
ロボットパレタイザー 8つのパレタイズパターンを標準搭載
省スペース・安全・多種多様にカスタマイズが可能

パレタイズ業務とは

パレタイズ業務とは、パレットに荷物を積み付ける作業です。一方、パレットから荷物をおろす作業はデパレタイズといいます。
パレットとは荷物を積むための四角い荷台のことで、フォークリフトなどで運びます。
従来は、人が荷物を持ち上げてパレットに積んでいました。現在では自動化が進み、ロボットがパレタイズ業務を行う場合もあります。

パレットに積む荷物は、ダンボール箱や、一斗缶、米袋や、ロール紙などさまざまです。それぞれの形や重量を考えて、崩れないように積み付けなければなりません。正しく積むことで、荷崩れを防止できるので品質を保つことにつながります。

荷物の積み方としてはおもに以下のような方法があります。

・棒積み

荷物を一定の向きで積み付けていく方法です。シンプルな積み方ですが、上の方の荷物は安定性が悪くなる場合があります。

・ピンホール積み

ピンホール積みは、荷物の向きを90°ずつ変えて積んでいき、最終的に風車のような形にします。また、2段目では向きを180°変えることで安定性を高めています。

・交互列積み

荷物の向きを1段ずつ90℃変えて積みます。横向きの力に強くて安定性が高いです。

他にも、レンガ積みやスプリット積み、ダブルピンホール積みなどさまざまな方法があります。

求められるパレタイズ業務の自動化

パレタイズ業務の自動化

現在さまざまな企業でパレタイズ業務の自動化が進められています。パレタイズ業務を自動化する目的やメリットについて解説します。

・身体的な負担を軽減する

重い荷物を持つのはそれだけで体に負担がかかります。また、パレットに積むときは最初は低い位置、徐々に高い位置へ積むことになり、脚や腰への負担がかかりやすいです。
パレタイズ業務をしていると荷物の持ち運び何度もするため疲労がたまってきます。
パレタイズ業務をロボットによって自動化できると、これらの身体的な負担がなくなり従業員の安全や健康につながります。

・人手不足の問題を解決

企業によっては人手不足の問題を抱えている場合があります。特に、24時間稼働する工場の場合は深夜の時間帯の人材を確保するのに苦労します。
ロボットによってパレタイズ業務を自動化できれば人手不足を解決できます。また、昼の時間のみ稼働していたパレタイズ業務を24時間にするなどして、1日当たりの生産性が向上します。

・社員の勤務計画を柔軟にできる

体調不良や急な用事によって、作業者の欠員が出た場合には他の従業員を探さなければなりません。
パレタイズ業務を自動化できれば、社員の働き方やシフトを柔軟にできます。また、シフトを作成する管理職の負担も軽減できるでしょう。

・積み付け品質の安定

人が荷物を積み付ける場合は、箱の向きが揃っていなかったり、少し隙間が空いてしまったりなど積み付け品質にばらつきが出る可能性があります。
パレタイズ業務をロボットが行う場合は、箱の向きも正しく、ばらつきの少ない積み付けを実現できます。その結果、積み直しなどの作業も少なくなります。

ロボットパレタイザー
ロボットパレタイザー 8つのパレタイズパターンを標準搭載
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パレタイズロボットの種類

次に、パレタイズロボットのおもな種類と特徴を解説します。

直行型(ガントリー型)ロボット

直交型は、複数の直交するスライド軸で構成されたパレタイズロボットです。ガントリー型ロボットともいわれています。

スライド軸上をロボットハンドが直線移動します。スライド軸はX,Y,Z軸方向に設置されており、さらにロボットハンドの回転も可能としているので、さまざまな積み方に対応できます。
直交型のロボットは構成がとてもシンプルで動作制御もしやすいです。

直行型(ガントリー型)ロボット

直交型ロボットは、ばらつきが少なく高精度な作業が可能というメリットがあります。直線の動きしかしないため、位置精度にばらつきが少なく動作制御がシンプルです。作業工程を決めてしまえば、同じ動作を繰り返すため積み上げ品質が良くなります。

また、構成がシンプルなので、導入コストが安いです。初めてパレタイズロボットを導入する際はコストも重要な要素となります。

直交型のロボットは、動作範囲が目で見て分かりやすく、安全性が高いです。スライド軸よりも外側には動くことができないので、スライド軸の内側に行かなければぶつかることはありません。

一方、直交型のデメリットも解説します。
直交型は作業スペースに対して設置面積が大きいです。スライド軸の強度を確保するために大きくなる場合があります。したがって、スペースに余裕のある場所での設置が必要となります。

また、直交型は複雑な動きが苦手です。複雑な動作をする場合は、多関節ロボットなどが向いています。

垂直多関節ロボット

垂直多関節ロボットは、複数の関節で構成されており、地面に対して直角な方向にロボットアームが移動します。
人の動作と近いため、産業用ロボットとして多く導入されています。人でいうところの肩や肘、手首などを関節(ジョイント)といい、腕にあたる部位をアーム(リンク)といいます。

垂直多関節ロボット

関節を回転させるための動力としてはモーターが使われています。関節やロボットハンドなどにセンサーを取り付けてセンサーの値をフィードバックして駆動制御を行います。
垂直多関節ロボットは、軸の数が多いほど複雑な動きができます。6軸タイプの垂直多関節ロボットもありますが、パレタイズロボットとしては4軸のタイプが多いです。

垂直多関節ロボットのメリットは、複雑な動きができる点です。さまざまな積み方に対応できます。また、可動範囲が広くて設置面積が少なくてすむという特徴があります。

垂直多関節ロボットは可動範囲が広い分、安全性に気を付けなければなりません。近くで人が作業する場合には、センサーによって自動停止する制御を搭載したり、安全柵などで近づけないしたりなど、工夫が必要となります。

水平多関節型ロボット

水平多関節は、複数の回転できる関節を有しており、地面に対して水平な方向に移動するパレタイズロボットです。直動軸を組み合わせることで上下方向にも移動可能となります。

回転する関節の動作で荷物の真上にロボットハンドを移動し持ち上げます。その後、パレットの上に移動して積み付けていきます。

水平多関節ロボットは、構造が単純で制御しやすいメリットがあります。狭いスペースにも設置可能なので、現在のパレタイズ工程を大きく変えることなく導入できる可能性があります。
水平多関節ロボットはパレタイズ業務だけでなく、組み立て自動化や梱包などさまざまな作業を自動化できます。

機械装置型(機械据付型)ロボット

機械装置型は、ベルトコンベアとパレタイズ部分が一体となった大型の装置です。
パレタイズする荷物が固定されている大量生産現場では、高速で多くの荷物の処理ができるメリットがあります。
しかしながら、荷物の積み方や方向が固定されていて、なおかつ大きなスペースが必要というデメリットがあります。

多様なカスタマイズに対応|山善のロボットパレタイザーの紹介

山善のロボットパレタイザーは省スペースに設置可能で高い安全性があり、お客様の要望に合わせてさまざまなカスタマイズに対応できます。
ピンホール積みや交互列積みに対応できて、カゴ台車にも積み付け可能です。

山善は、パレタイズ工程を自動化したいお客様に最適なシステムを提案させていただきます。気になった方はぜひご相談ください。

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