技術コラム把持(チャック)型のロボットハンド|
山善がオススメする製品を紹介

把持(チャック)型ロボットハンドに求められること

把持(チャック)型の最大の特長は、ワークを爪(フィンガー)で挟み込み、しっかりと固定して搬送できる点です。そのため、まず求められるのは「安定した把持力」と「繰り返し精度の高い位置決め」です。

ワークの形状・材質に合わせてフィンガーの形状を最適化することで、多種多様なワークを安定して保持できます。また、取り扱う部品のばらつきや個体差への対応力が高く、ワークを傷つけないためのフィンガーデザインや力加減の調整なども重要なポイントとなります。

さらに、必要に応じて力覚センサや寸法測定機能を組み合わせることで、工程内検査を同時に行うなど、生産効率の向上につなげられるのも大きな魅力です。

把持(チャック)型ロボットハンドが向いている用途

把持型は、ワーク表面の状態や材質に左右されにくく、孔や凹凸がある部品、通気性の高い素材なども挟み込んで確実に搬送できるため、吸着型では扱いにくい形状のワークに向いています。

具体的には、ネジやボルトなどの小型部品、段差や複雑な形状をもつ金属・樹脂成形品、精密な位置決めが必要な組立工程などで活躍します。また、寸法測定や外観検査を行いながら同時に搬送する工程統合を図りたいケースや、高精度・高剛性が求められる自動車、家電、電子部品などの生産ラインにも適しています。

多品種少量生産から大量生産まで幅広く対応できる汎用性の高さも把持型ならではの強みです。

山善がオススメする把持(チャック)型ロボットハンド

株式会社北川鉄工所

北川鉄工所の把持型ロボットハンドのうちNPGT_S、NPL_Sシリーズは、搬送と同時に寸法測定が行える画期的な機能が特長です。把持した状態で±2μm(社内テスト結果)という非常に高い測定精度を実現できるため、搬送工程でのワーク検査を自動化し、工程を一体化できます。これにより、測定専用工程や人手を介した検査ステップを大幅に削減し、タクトタイムや生産コストの短縮に寄与します。

複数の工程を統合することで設備スペースも有効活用でき、工場全体の効率化に大きく貢献します。NPGT_S、NPL_Sシリーズは、ロボットハンドひとつで工程集約と省人・省力化を実現する、次世代のロボットハンドです。

株式会社北川鉄工所

株式会社コガネイ

コガネイの把持型ロボットハンド第2弾は、世界最薄形状を実現したフラット型の電動ハンドです。軽量・コンパクトな設計にもかかわらず、モーメントを抑える独自のメカニズムにより従来のエアハンドと同等の大きさを実現しております。

株式会社コガネイ

ロボットアームへの負荷も最小限に抑えられるため、高速動作や複雑なアーム動作を要求する工程でも、精度や速度を損なわずに使用できます。

さらに、設置スペースの制約が厳しい設備内や、多数のハンドを稼働させるセル生産方式にも最適。薄型設計によってロボットの稼働域を広げられるため、生産ラインのレイアウト自由度が向上し、多様な用途に柔軟に対応します。

ロボットハンドをお求めなら山善へご相談ください

山善では、多様に存在するメーカーの中から貴社がお求めのロボットハンドの選定をお手伝いいたします。把持(チャック)型のロボットハンドの他に、吸着型マグネット型 も取り揃えております。ぜひお気軽にご相談ください。