技術コラム吸着型のロボットハンド|
山善がオススメする製品を紹介

吸着型ロボットハンドに求められること

吸着型ロボットハンドの最大の特長は、製品表面に吸着パッドを当て、真空や圧力差を利用してワークを保持する点です。そのため、「吸着面とワーク表面の密着性の確保」が重要となります。

特に、真空がしっかり保たれるよう、ワークの形状や材質、表面状態に合った吸着パッドを選定する必要があります。また、真空発生の供給源となるコンプレッサや真空ポンプの性能や配置も、安定吸着と稼働コストに大きく影響する要素です。

さらに、搬送速度や周囲環境(埃や粉塵など)の条件に適合できるよう、適切なフィルタやシーリングの管理、定期的なメンテナンスも欠かせません。

吸着型ロボットハンドが向いている用途

吸着型は、広く平らな面をもつ板状のワークや、割れ物・傷つきやすい素材などを優しく保持したい場合に特に適しています。部品表面を直接爪で挟むことがないため、表面に痕を残したくないガラスや樹脂、食品のパッケージなど、繊細なワークのハンドリングにも有効です。また、エアブローを併用することで、異物の除去や迅速な着脱が可能となり、高速搬送ラインでも活躍します。

ただし、吸着性能はワークの表面状態や隙間の有無に左右されやすいので、孔が空いた製品や多孔質材など通気性があるものには不向きな場合もあります。包装工程、基板のピック&プレースなど、多品種軽量物の搬送を中心とした自動化ラインで幅広く採用されています。

山善がオススメする吸着型ロボットハンド

コンバム株式会社

コンバムの吸着型ロボットハンドは、真空ポンプを内蔵しているため外部コンプレッサが不要で、設置場所や配管の制約を大幅に軽減します。稼動時の可動音もきわめて小さく、作業環境の静音化や周囲への騒音対策にも効果的です。また、多品種・不定形状のワークをしっかりと吸着できる多様な真空吸着パッドを取り付けることができるため、従来の吸着ハンドでは困難だった複雑な形状や重心の偏ったワークでも安定した搬送が可能。

部品の試作ラインや短納期が求められる現場など、頻繁に扱う製品が変わる生産環境において、柔軟かつ高効率な自動化を実現します。高い汎用性と扱いやすさによって、導入後すぐにそのメリットを実感できるでしょう。

コンバム株式会社

株式会社コガネイ

コガネイが提案する真空吸着型ハンドは、エア源や配管を必要としないシンプルな構造が最大の特長です。空気圧ラインを敷設する手間やコストを削減できるだけでなく、配管周りのトラブルリスクやメンテナンス負担も軽減されるため、稼働率向上に繋がります。

しかも、使用中のロボットや搬送ワークに合わせて多彩なアダプタを選択できる柔軟性を備え、ラインのレイアウト変更などにもスマートに対応可能。スペースに限りのある製造現場や、段取り替えが多い生産工程で特に威力を発揮し、省エネ・省スペースを両立するロボットハンドとして注目を集めています。

株式会社コガネイ

日東工器株式会社

日東工器の電動吸着型ロボットハンドは、コンプレッサを必要としないため、どんな場所でも使用しやすい省エネモデルです。小型ポンプを内蔵することで高い真空保持力を実現しながら、消費電力と運用コストを低減。

コンプレッサ・エア配管などの設備がない場所での使用に適しています。

メンテナンス頻度の低減により、長期稼働時のコスト削減にも大きく寄与し、環境に配慮した生産設備を目指す企業にも最適です。

また、タイマーモードも搭載しており、ロボット側からのIO信号が必要なく、吸着・離脱を事前に設定した秒数で制御できプログラミングの必要なくタイマー制御が可能です。またフローティング機構の搭載によりロボットへの負荷の軽減も可能です。

高い静音性や安定した吸着力・導入しやすい仕様を兼ね備え、あらゆる産業の搬送工程をより効率的かつ安心して進められます。

日東工器株式会社

ロボットハンドをお求めなら山善へご相談ください

山善では、多様に存在するメーカーの中から貴社がお求めのロボットハンドの選定をお手伝いいたします。吸着型のロボットハンドの他に、把持(チャック)型マグネット型 も取り揃えております。ぜひお気軽にご相談ください。